日本製品を海外向けに英語で紹介する方法

東京のオフィスで、地球儀と輸出計画の資料を使って海外展開を準備する場面

海外向けの製品紹介では、対象市場と製品の用途を確認します。画像はAIで生成したイメージです。

日本製品を海外で紹介する際は、読者が自分の用途に合うかを判断できるように説明します。英語の製品ページを訪れた人が知りたいのは、何に使え、どの条件で導入できるかということです。会社の沿革や品質への姿勢に加え、仕様、利用条件、購入方法を示すことで、問い合わせ前に必要な情報を確認できます。

英語で製品を紹介する際は、日本語の資料から読者が必要とする情報を選び、比較や検討に使える順序で説明します。原文を自然な英語に訳しても、用途や購入条件が見つからなければ、読者は判断できません。この記事では、対象市場の決め方からコピーライティング、検索対策、PR、公開後の評価まで、必要な作業を具体例とともに解説します。

紹介する国と、製品を選ぶ人を決める

対象市場を決める際は、国や地域とともに、誰が製品を選ぶかを明確にします。同じ測定器でも、研究者は測定範囲や再現性を、購買担当者は納期や保守体制を重視します。販売代理店には、販売できる地域や取引条件の説明が必要です。問い合わせてほしい相手を決め、その人の疑問に答える内容を英語ページに掲載してください。

2025年11〜12月に実施された海外ビジネスに関心の高い日本企業への調査には、3,369社が回答しました。輸出先に関する設問では、今後3年程度で最も重視する輸出先として米国が27.1%で首位でした。この調査は、日本企業全体の無作為標本ではありません。自社の対象市場を決める際は、顧客の引き合いや販売できる条件も確認します。

対象国を絞ったら、現地の競合ページを読み、顧客が使う製品名や比較項目を書き出します。日本語の社内用語をそのまま英語にすると、相手が知っている製品分類とずれることがあります。営業担当者が受けた質問や、展示会で説明に困った点も、製品ページの見出し候補になります。

世界地図と製品資料を囲み、海外市場への紹介方法を検討する日本企業のチーム
市場調査では、対象国、顧客の用途、製品を比較する際の条件を調べます。画像はAIで生成した場面のイメージです。

製品の仕様を、使う場面と結び付けて説明する

製造国は製品を選ぶ材料の一つですが、それだけでは用途や性能は伝わりません。「高品質」「革新的」「使いやすい」といった説明には、それを裏付ける仕様や使用例が必要です。数値、試験条件、操作方法など、読者が確かめられる情報を示すと、製品の特徴を比較しやすくなります。

折り畳み傘の説明を組み直す例

重さ300g、収納時の長さ27cm、開いたときの直径100cmの傘を例に考えます。ここで使う数値は、説明用に設定した架空の仕様です。実際の製品の性能やMacroLingoの顧客事例を示すものではありません。

例えば「日本の技術が生んだ、次世代の傘」という説明だけでは、製品を選ぶ材料が不足しています。通勤者を対象にするなら、重さや収納時の大きさを示し、持ち運びに関する疑問に答える方が具体的です。次の英文は、そのような説明の例です。

“A folding umbrella for your daily commute. It weighs 300 g and folds to 27 cm, so you can check whether it fits in your work bag.”

「仕事用のバッグに入るかを確認できる」という説明は、寸法に基づいています。「どんなバッグにも収まる」「強風でも壊れない」といった表現には、別の根拠が必要です。耐風性能を紹介するなら、試験方法と条件を確認してから書きます。

読み手ごとに、前に出す情報を変える

読み手先に知りたいこと用意する情報の例
一般の購入者自分の使い方に合うか重さ、寸法、使用場面、手入れ方法
技術担当者必要な条件を満たすか測定条件、互換性、試験結果、仕様書
購買担当者導入後も使い続けられるか納期、保証の範囲、交換部品、保守窓口
販売代理店扱える製品と販売条件は何か対象地域、供給体制、資料、問い合わせ先

専門用語は分野での意味に合わせて使い、一般向けの説明でも、製品の性能を判断するための条件は省略しません。たとえば測定精度を説明するなら、対象物や温度など、その精度が得られる条件も読める場所に置きます。

英語のキャッチコピーに、具体的な約束を込める

USPは、顧客がその製品を選ぶ理由を短く説明するための考え方です。競合より優れていると言うなら、比較する製品と条件を示します。比較の根拠がない場合は、自社製品の用途や特徴を具体的に伝えてください。

先ほどの傘では、“Compact enough for the commute.” というコピーに、重さと収納時の寸法を添える方法があります。これは、荷物の大きさを気にする通勤者に向けた架空の例です。抽象的な「新しい価値」を直訳するより、製品の用途と、顧客が選ぶ理由を一緒に示せます。

コピーの候補は、製品ページの本文と一緒に確認します。見出しが防水性を約束しているのに、本文が撥水性だけを説明していれば、意味が食い違います。短い言葉の選び方は、英語のキャッチコピーの解説でも扱っています。

ローカライゼーションで、購入前の疑問を減らす

英語圏でも、使う通貨や配送条件は国によって変わります。価格をドルで示すなら、米ドルか豪ドルかを分かるようにします。日付は「03/04/2026」のような解釈が分かれる表記を避け、月を文字で書く方法などを選びます。寸法や温度の単位も、対象市場と用途に合わせて確認してください。

日本で取得した認証や、日本国内の保証を紹介するときは、適用範囲を明記します。海外でも同じ保証が受けられると読者が誤解する英文は修正が必要です。問い合わせフォームに海外の住所や電話番号を入力できるか、営業担当者が英語で返信できるかも確認します。

2024年の中国消費者による日本事業者からの越境EC購入額は、推計2兆6,372億円でした。前年比8.5%増という数字は、市場全体の規模を示します。個々の商品の需要や利益率は分かりません。中国向けに販売するなら、英語の紹介ページとともに、現地語の情報や販売チャネルで必要な表示も検討します。

「海外の人はこう考える」という説明を広く当てはめると、顧客の実際の質問を見落とします。現地の営業担当者や販売店に製品ページを見せ、比較する際に足りない情報を聞いてください。文化への配慮は、このような具体的な確認から始められます。

写真と動画で、製品の大きさや操作を見せる

製品の写真や動画は、文章だけでは分かりにくい大きさや操作方法を伝えるために使います。例えば、手に持った写真はサイズ感を、端子の接写は接続方法を、設置場所の写真は必要な空間を示します。掲載するモデルと仕様表が一致しているかも、公開前の確認事項です。

操作を説明する動画なら、見せたい手順を決めてから撮影します。英語字幕を付け、音声なしでも操作が分かるようにします。製品内部の図解には、部品名や流れを示すラベルを付け、本文の専門用語とそろえます。

この記事に掲載している画像は、場面を説明するためのイメージです。販売ページで製品の性能や導入実績を示す場合は、実物の写真や、撮影・試験の条件が分かる資料を用意します。AIで生成した写真風の画像を、実際の製品の性能や導入実績を示す資料として使うことはできません。

ウェブ掲載用の画像は、表示する大きさに合わせて圧縮します。原本は別に保存し、サイトでは適切な画像サイズを配信します。写真の代替テキストには、写っている内容を簡潔に書きます。製品の仕様や注意事項は、画像内の文字だけにせず、ページの本文にも載せます。

英語SEOで、顧客が探す用途と製品を結び付ける

英語SEOでは、対象顧客が製品や用途をどのような言葉で検索するかを調べます。傘なら、製品分類の「folding umbrella」と、用途を表す「compact umbrella for commuting」では、探している内容が異なります。検索結果に販売ページが多いか、選び方の記事が多いかを見ると、求められている情報を判断する手掛かりになります。検索数を調べる際は、対象国と言語もそろえます。

製品ページのタイトルには、製品の種類と用途が分かる言葉を入れます。本文では、その用途に必要な仕様を説明します。記事で選び方を紹介する場合は、関連する製品ページへリンクし、見積もりや仕様書を探せるようにしてください。似たキーワードのページを大量に作る前に、それぞれのページが答える質問を決めます。

英語の製品ページと検索画面を確認する日本人のウェブ担当者
検索語、ページの説明、問い合わせへの動線を一緒に確認します。画面と人物はAIで生成したイメージで、実際の検索実績を示すものではありません。

日本語ページと英語ページを、検索エンジンにも区別できるようにする

日本語版と英語版には、それぞれ独立したURLを用意します。既存のサイト内で「/ja/」「/en/」を使う方法もあります。言語ごとに別のドメインを取得する必要はありません。多言語サイトでは、対応する言語版をhreflangで示し、読者が自分で言語を切り替えられるリンクも設けます。

ブラウザの言語やIPアドレスだけで英語版へ自動転送すると、読者や検索エンジンが別の言語版を見られない場合があります。制作担当者に、英語版のURLへ直接アクセスできるか、検索対象として登録できる設定かを確認してください。

AI検索にも、確認できる製品情報を用意する

GoogleのAI検索での表示には、通常のSEOの基本が引き続き適用されます。AIによる概要やAIモードの参照リンクになるには、ページがインデックスに登録され、検索でスニペットを表示できる状態である必要があります。専用のAIファイルや特別な構造化データは追加の要件ではありません。

AI検索で参照される情報も、読者が内容を確かめられる形で公開します。製品名、メーカー名、用途、仕様を本文に記載し、試験結果には条件を添えてください。導入事例には公開の承諾を得た情報を使い、構造化データを設定する場合は画面の内容と一致させます。こうした対応は情報を正しく伝えるために必要ですが、検索順位やAI回答への採用を保証するものではありません。GoogleとほかのAIサービスでは、情報の取得や掲載のルールも異なります。

AI翻訳に渡す資料と指示は、人が用意する

AIは訳文の候補や見出し案を短時間で作れます。ただし、公開されていない仕様変更や、営業担当者が顧客に説明している注意点は、入力しなければ分かりません。日本語の「対応可能」も、標準仕様なのか、別料金の改造なのかで英文が変わります。

LLMによる翻訳では、入力した文脈や翻訳例が訳文に影響します。実務で使う際は、最新の仕様書、用語の定義、承認済みの対訳例を用意し、対象読者と文体を指定します。旧版と現行版を区別し、どの資料を優先して参照するかも明示してください。

AIに会社固有の資料を訳させるには、仕様や用語を判断できるだけの情報と、具体的な指示が必要です。人の翻訳担当者が仕様書や用語集を参照するのと同様に、AIにも判断の材料を渡します。その準備には社内の担当者の時間がかかります。資料を渡すだけで正確さが保証されるわけではないため、実際の原稿で下訳を試し、どの箇所に修正が必要か、確認にどれだけ時間がかかるかを見てください。

公開前には、製品担当者が仕様と適用範囲を、英語の書き手が意味と表現を確認します。原文に曖昧な箇所があれば担当者に尋ね、説明する内容を確定してから英文に反映します。MacroLingoでは日本語の資料も読み、原文と訳文の間で意図や専門用語がずれていないかを確認しています。ご相談や原稿の確認は、日本語で対応しています。

ECとSNSでも、同じ製品情報を使う

海外のECモールに掲載するなら、その販売先が求める商品属性を確認します。サイズや材質、発送元を、指定された欄にも入力してください。自社サイトと販売ページで型番や同梱品が食い違えば、購入者はどちらを信じればよいか迷います。地域ごとの価格や返品条件は、担当者が更新できる形で管理します。

SNSでは、媒体の特徴と顧客の調べ方に合わせて、使用場面や情報の見せ方を選びます。傘なら、バッグに収納する動画から寸法を説明した製品ページへ案内できます。BtoB向けのLinkedInでは、導入前によくある質問を取り上げ、仕様書や問い合わせ先へつなぐ方法があります。投稿の反応だけでなく、対象顧客が必要な情報にたどり着けるかが評価のポイントです。

レビューや顧客の写真を転載する場合は、利用許可と条件を確認します。投稿内のリンクには流入元が分かる計測用のパラメータを付け、対象国から製品ページへ来た人と、問い合わせた人を追えるようにします。反応を集めた投稿でも、対象顧客からの相談がないなら、紹介する用途や案内先を見直します。

海外PRでは、記者が確かめられる発表内容を作る

海外PRでは、対象市場の読者にとって何が新しいのかを、記者が確認できる情報とともに伝えます。例えば、現地で保守サービスを始める発表なら、開始日、対応地域、利用条件、連絡先が必要です。「グローバル展開を加速」という見出しだけでは、顧客が何を利用できるようになったかが分かりません。

記者に渡す資料には、製品写真や試験条件が分かるデータを添え、取材に答えられる担当者を決めます。顧客の導入事例を紹介する場合は、公開してよい数字と社名の範囲を先に確認します。対象業界を取材する記者に、その媒体の読者に関係する情報を提案してください。

自社サイト、販売資料、プレスリリースで、製品名や性能の説明が食い違わないようにします。メディア掲載やAI検索での引用は、企業側が決められるものではありません。PRと検索の関係は、海外AI検索とPRの記事で詳しく説明しています。

公開後は、問い合わせの内容まで追う

公開後の評価では、対象国からのアクセス、仕様書のダウンロード、問い合わせ、商談、受注を段階ごとに記録します。閲覧数が増えても、営業対象に合う問い合わせが増えたとは限りません。営業担当者と案件の内容を共有し、製品紹介がどの段階で役立ったかを把握すると、改善する箇所を絞りやすくなります。

たとえば「月間1,200回の閲覧、12件の問い合わせ、そのうち6件が対象顧客に合い、2件が受注した」という記録なら、ページの反応と営業成果を別々に確認できます。これは測定方法を説明する架空の例です。広告の変更や展示会への出展も同じ期間に記録し、ページの英文だけが受注の原因だったと判断しないようにします。

営業で繰り返し受ける質問は、製品ページを改善する材料になります。配送日数の質問が多ければ、出荷までの準備期間と、配送にかかる日数を分けて説明します。資料制作の費用対効果を判断する際は、売上と利益を区別した翻訳ROIの計算も参考になります。

日本語の資料から、海外向けの英文を作る

MacroLingoでは、日本語の資料を読み、製品の用途や読み手を確認しながら、英語の製品ページと営業資料を作成します。原文を基にした翻訳・ローカライゼーション、構成から検討する英語コピーライティングに対応しています。検索で見つけてもらうための英語AI-SEOもご相談いただけます。

ASEANでの広報活動には、現地PRパートナーのEllerton & Co.と連携したPR・広報支援を提供しています。MacroLingoが日本語での相談や調整を支え、Ellertonが対象市場での戦略、制作、メディア対応を担当します。

最初のご相談には、紹介したい製品の資料、対象国、問い合わせてほしい相手、現在の英語ページをお送りください。何から作るかが決まっていなくても、お問い合わせから状況をお聞かせいただけます。

More from the blog

ブログの他の記事

Want something like this written for you?

御社向けに、このような
コンテンツを制作してみませんか?

This is the work we do for clients: content, translation, editing, PR and search. Tell us what you are working on and we will reply within one business day.MacroLingoでは、コンテンツ制作、翻訳、英文校正、PR、SEOを承っております。ご相談内容をお聞かせください。原則1営業日以内にご返信いたします。