学術研究に携わる者として、あなたもご自身の研究に多大な時間と労力を費やしているはず。しかし、たとえ研究成果を公表することができたとしても,人々がそれを読んで引用してくれる保証はない。
そこで、EurekAlert!のような英文学術研究プレスリリースの出番となる。これはあなたの研究成果を広めてくれるメガホンのようなもの、メディアやその他の読者が理解できる言葉で世界に発信するのだ。しかし、あまりにアカデミックな文章では一般読者の興味を削いでしまうことも。とはいえ、自分でジャーナリスティックかつキャッチーな英文記事を書くのは大変……
つまり、プレスリリースには研究ノウハウだけでなく英語やコピーライティングのスキルも大切。でも、人に読ませる英文プレスリリースを作成できるライターは多くない。では、そのようなライターを探すにはどうしたらよいのだろう?
そんな悩みを一挙に解決、Scizeのプレスリリース作成代行サービスにお任せあれ。😉
とはいえ、プレスリリースの書き方も一応チェックしておこう。
どうして研究者にとって英語版プレスリリースが大切なのか
調査によれば学術発表の多くは届く範囲が限られており、なんとその50%近くで引用回数が10回以下になっているとのこと。そして大多数の学術的成果は引用されず、たとえ引用されたとしてもその増加はゆっくりとしたものに留まるのが常。
しかも、研究者というのは往々にして研究成果をPRするためのリソースや時間、テクニックにまで手が回らないもの。論文が掲載されるころには、もう新たな研究に順次着手していることだって珍しくないのだ。となれば、数年前に達成した成果を今さらPRしている暇なんかあるはずがない。
そこで、気になるのは解決策だ。研究成果のPRにスムーズに取り組むにはどうしたらよいのだろう?ひとつのうまい方法としては、ブログおよびソーシャルメディアの活用や、ResearchGateをはじめとする学術研究ベースのフォーラムへの参加がある。さらに,オープンアクセス化も研究成果を人目に付きやすくする上で役立つかもしれない。けれども、こういった方法にはすべて運任せのギャンブルという面があるのは否めない。
そこで、プレスリリースの出番となる。
研究成果を簡潔で親しみやすくまとめたプレスリリースは、メディアや一般読者にとってのハードルを下げてくれるのだ。しかも、英文でプレスリリースを公開することができれば、英語圏をはじめ世界中の読者にあなたの研究成果をアピールすることにつながる。では、英文プレスリリース作成の具体的な方法とは?
もちろん,Scizeにお任せいただければ、お悩み不要(まずはプレスリリース作成代行サービスをチェック,お問い合わせはこちら)。とはいえ、ブラックボックスの中身を知っておくのも悪くないし、文章作成に自信がある方なら楽しみながらプレスリリースの作成に取り組むことだってできる。
英文プレスリリースを作成する上での実用的なコツ
人々が読んだり目を通したりするのは「気軽に」理解できるコンテンツだけ。メディアがあふれる今日ではややこしいテーマは敬遠され、ストレスフリーで読めるものが好まれるのだ。けれども、研究者たちの多くはそのことに気づかず、「学術研究なのだから難しくて当然!」とばかりに一般読者にとってはハードルが高すぎる英語プレスリリースを作成してしまいがち。
もちろん、研究内容を伝えるためには専門用語が必要なケースもある。とはいえ、全体的な文章スタイルは会話調が基本。学術研究プレスリリースを作成するなら、そのことを忘れずに。
読みやすく、わかりやすく
読みやすい文体が肝心。ややこしい専門用語ではなく「プレーン」でなめらかな英語を使おう。つまり、話し言葉を意識して論文原稿のような言葉遣いは避けること。ただ、こういったテクニックを身に着けるには練習あるのみ。ともあれ、読みやすい会話調の文章はプレスリリース作成の第一歩だ。
専門用語や略語はできるだけ避け、シンプルな英文を心掛けよう。さらに、著者の引用を行って背景を説明し親しみやすいニュアンスを出すようにするとベター。
読者の興味を惹こう
ピュー研究所の調査によれば、アメリカ人の50%以上は中程度または水準の低い科学的知識しか持っていないとされている。つまり、あなたの研究が画期的なものであっても、一般読者にとってはハードルが高すぎるかもしれないということ。けれども、そのような読者がメディアの一員として地域や世界に研究成果を普及する窓口を担っていることだってあるはず。
ところで、この記事の内容に興味は持ってもらえただろうか?プレスリリースの作成にあたって目指すべきは読者の興味を惹くこと。
学術研究のプレスリリースを効果的に作成するには、主要な発見を強調するような明確でキャッチーな見出し(言葉遊びやウケのいいネタがあればなおよし)から始めるのがコツ。ソーシャルメディアのフィード画面で思わずクリックしたくなる記事や、新聞や雑誌でつい読んでしまった記事を思い出してみよう。なぜその記事を読んでしまったのだろう?どうして好奇心を掻き立てられたのだろうか?
ここで、私たちが作成した見出しをいくつかご紹介しよう(記事全文を読むにはリンクをクリック)。
- Researchers in Japan make android child’s face strikingly more expressive
- Brainwave activity reveals potential biomarker for autism in children
- Multi-hop Communication: Frog Choruses Inspire Wireless Sensor Networks
- China’s special economic zones found to reap billions of dollars in net benefits
- Experience of caring for a loved one linked to valuable end-of-life discussions
ユーモアには注意!
新たな科学技術やあるコミュニティにとって興味深い発見、驚くべき発見など,ポジティブ(あるいはニュートラル)なテーマを扱う上でユーモアは効果的。しかし、病気や暴力をはじめネガティブなテーマを取り上げる場合、ジョークはいただけない。たとえば、当社では緩和ケアとホスピスに関するこのような記事を作成したことがある。このような「マジメな」研究にユーモアは不要。昔ながらの見出しで十分なのだ。
画像の利用
インフォグラフィックやチャートなど、データを可視化するツールを活用して研究成果へのハードルを下げよう。学術論文原稿に掲載する図表は一般読者にとって専門的で複雑すぎることが多いので、プレスリリースにそのまま流用するのは避けたほうが無難だろう。
インフォグラフィック
複雑なデータや情報を視覚化して伝える手段、インフォグラフィック。インフォグラフィックを利用すれば複雑なデータを単純化し、キャッチーでわかりやすい形で提示できるのだ。インフォグラフィックによく似たものとして、グラフィカル・アブストラクトを利用するという手もある。
写真・画像
研究設備やサンプル、そして著者(つまりあなた自身)を紹介することができるのが写真の強み。さらに、ラボやフィールドで実験を遂行する研究者の姿など、研究プロセスの一コマをとらえることも可能だ。
チャート・グラフ
チャートやグラフを活用すると一連のデータを比較したり、経時的な傾向や統計的な有意性を提示したりすることができるため、データや結果を視覚に訴える形で示す上でとても有効。ただし、あまり複雑な印象を与えると一般読者はすぐに興味を失ってしまうので,限度を考えるようにすること。
動画
プレスリリース配信サービスの中には動画のアップロードを受け付けているものもある。つまり、読者に理解できる映像で人を不快にさせるようなものでなければ、研究の様子を撮影した映像を活用することだってできるのだ。欲を言えば,研究の概要が一目でわかる映像だとよいだろう。動画は一般の人々にもハードルが低い上、TikTokやYouTubeを見ればわかるとおり共有しやすいのがメリット。可能なら利用をオススメする。ただし、Scizeでは今のところ動画の取り扱いはなし。将来的な動画サービスの提供を検討中だ。
論文原稿が分野の専門家たちに研究成果を伝える手段であるのに対して、プレスリリースは幅広い読者にわかりやすく、そして面白く伝えるのが目的。画像や映像を選ぶ際にはそのことを忘れずに。
簡潔に!
英文プレスリリースは必ず1ページ以内、理想的には500語以下が望ましいとされている。EurekAlert!では400語前後が推奨されているが、発見や変数が複数ある場合にはなかなか難しいかも。とはいえ、500語を超えてしまうと「キレがよく簡潔」というプレスリリースの目的を逸脱してしまうだろう。
短い段落や箇条書き、小見出しなどを活用して要点を捉えやすくするのがコツだ。
英文プレスリリース専門のライターが費用の5倍(あるいはもっと)価値がある理由とは?
プレスリリースを自分で作成しようという意気込みは素晴らしいもの。けれども,プロに任せた方が、他の研究者やメディアに注目される可能性がアップするのもまた事実。とくに、英語ネイティブでない研究者が人目を惹くような英文プレスリリースを作成するのは至難の技だ。しかし、英語ネイティブのサイエンスライターの力を借りれば『ニューヨーク・タイムズ』紙やBBC放送に研究成果を取り上げてもらうことだって夢ではない。大げさな話に聞こえるかもしれないが、きちんとした研究を魅力的な英語で発表できれば不可能ではないのだ。さて,研究成果を英語で広く公表するメリットはというと……
- 引用
- 資金調達
- 研究機関のPR
- あなた自身や研究チームの知名度アップ
- 成果発表のチャンスが増加
これらは駆け出しの研究者にとってとても大切。たった数万円の出費で数百万円の研究予算が手に入るならコストパフォーマンスも悪くないはず。
トレーニングを積んだ熟練の英文サイエンスライターの任務はあなたの研究成果を正確かつ魅力的に発表し、英語圏をはじめ世界中のジャーナリストや一般読者に反響を与えること。
プレスリリース専門のライターはまた、(ときに奇妙な)各メディア独自の仕様にも詳しいもの。たとえば,EurekAlert!には数百のキーワードから関連項目を選ぶ仕組みがありTwitter投稿と連動させることができるようになっているのだが、プロのライターはこういった仕様を熟知しており、語数制限の範囲内でキーワードを適切に取り入れた文章を作成してくれるはずだ。
研究者は往々にして、こういった雑事に注意を払っている暇がないもの。たとえ時間があっても、そういう作業は得意でないという方も多いはず。もちろん、研究者が自分でプレスリリースを作成することは可能だ。しかし,限られた時間でうまくこなすことができるかどうかは別問題。プロのライターを検討される方は当社にご連絡を。
上手な英語学術研究プレスリリースの例
プレスリリースは日々、無数に公開されており、アカデミックなニュースを求めるメディアは常にこういったプレスリリースに目を通している。そんな中で読者の目に留まるプレスリリースは次に挙げる条件のうち、少なくとも1つに当てはまっていることが多い:
- 印象的な研究
- キャッチーで興味を掻き立てる見出し
- 興味深く新鮮で斬新,知的好奇心を共有できるもの
優れた英語版プレスリリースの例1:トリプルネガティブ乳がんの治療
これは研究そのものが印象的で、ストレートに成果を報告するだけで十分だった例。
EurekAlert!上で2020年に「New therapy for triple negative breast cancer」という見出しで発表されたこのプレスリリースはスペインで行われた研究に関するものだが、ここまでに紹介したコツをまったく踏襲していない。
ご覧の通り見出しは平凡。しかし、この分野における新たな治療法はそれだけでホットな話題なので誰もがクリックすることに。
書き出しも適切とは言えず、専門用語を多用。
段落が短いことを除くと、率直に言って読みやすいとは言い難い。
けれども、このプレスリリースには当を得ている点が2つある:
- カギとなる情報と業績を挙げた研究者をすべて開示している点。
- ニュースバリューのある研究成果をより広い読者層に伝えるため、わざわざプレスリリースを配信したこと。
従来の治療法では効き目が薄かったトリプルネガティブ乳がんに対し,新たな治療法を見出したという研究成果を要約したこのプレスリリースは、Medical News TodayやScience Daily、Cancer Research UKといったメディアに取り上げられたことで、幅広い読者を獲得し、研究の内容が周知されることになったのだ。
つまり、このケースでは研究そのものが「売り込み」をかけたため、プレスリリースの配信だけで十分に勢いがつきインパクトを与えることにつながったというわけだ。
優れた英語版プレスリリースプレスリリースの例2:リャマのナノボディ
EurekAlert!上に「Llama ‘nanobodies’ could hold the key to preventing deadly post-transplant infection」というタイトルで公開された研究の場合、テーマはさらにマイナー。分子免疫学上の発見を解説するというハードな課題が求められ、専門的かつハードルが高いプレスリリースになってしまう恐れもあったはず。しかし,ライターは風変わりなリャマの特徴をクローズアップし、「ナノボディ」という用語と組み合わせて好奇心を刺激することに成功したのだ。
このプレスリリースのキャッチーで記憶に残る見出しなら、専門知識を持たない人でも興味を掻き立てられて当然。なにしろ、リャマの「ナノボディ」を利用して致命的な術後感染症を防ぐという、独創的かつ重要なテーマなのだから。しかも,研究で得られた発見を明確かつ簡潔に要約し、リャマのナノボディが一般的な術後感染症の予防に効果があるということをわかりやすく述べている。つまり、難解な専門用語を解説しつつも、リャマというキャッチーな側面を存分に活かしているわけだ。
論文中で展開される専門的な議論を理解できない読者にとってもキャッチーなアイコン、リャマ。そのおかげで、コンセプトを単純化せずともプレスリリースのハードルが下がったのだ。
実際、BBC NewsやCNN放送,NBC NewsさらにForbesといった大手メディアがこのプレスリリースを報道。これらの記事はマジメな研究成果を伝えながらも、リャマのおかげでどこかユーモラスな雰囲気が漂うものとなっている。まず,プレスリリースの見出しが好奇心をくすぐるものだったことに加え、普通のサイエンスライターが一般読者向けに伝える上で難しすぎる内容でなかったことも成功の一因だろう。
プレスリリースに足らなかったのは、みんな大好きリャマの写真だけ。
けれども、研究を魅力的に見せるためだけに、がんの新治療法を発見したりキュートな動物を利用したりする必要はないのでご安心を。論文がジャーナル掲載されたということは、そのジャーナルの編集部や査読者たちの「ハテナ」にきちんと答えることができたということ。大切なのはあなたの研究そのものなのだ。
どんな研究にも伝えたい内容があるはず。そして、伝え方さえ工夫すれば、興味を掻き立てられた人々があなたの成果をPRしてくれるはず。その結果、引用数のアップも期待できる。その作業を代わりにやってくれるのが優れたサイエンスライターというわけだ。
では、どうやって「優れた」サイエンスライターを探したらよいのだろう?
Scizeであなたの研究をプレスリリース!
Scizeの任務は人々の好奇心を刺激して、シェアしたくなるような英文プレスリリースの作成。執筆とコミュニケーションは当社に任せて、ご自身の研究に専念してはいかが?
研究者には人々に成果を知ってもらい、正しく評価してもらう資格があるもの。
学術研究プレスリリースの役目はあなたの研究を世界中に普及し、 より広い読者層に届けて引用数アップや資金調達のチャンスにつなげること。この作業を怠ってしまうと、多くの論文がそうであるように研究成果を公表しても読んでもらえないことも……
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